教育行政について―学校間格差について

<一般質問 平成13年3月議会>

○萩原あきひろ

 我が浦和市は、文教都市としてよりよい教育環境をめざし、その充実をはかって来たと承知しています。昨年6月議会での先輩議員へのご答弁では他市にない特色ある教育環境を整備しているので、浦和の教育は高いレベルにあるとお答えをされています。その結果、向学心がより喚起され、高い進学率を誇っている事と思います。また、サッカーや野球など運動部活動でも好成績をあげ、総合的な学習意欲も向上し良い成果を積み重ねてきていると考えております。

 平成5年に埼玉県が偏差値制度を撤廃し、内申点と調査書に重点をおく選抜試験制度が確立されました。個人の個性やスポーツなどの特性も高く評価され一定の理解を受けてきたと思います。

 しかしながら、全体の中での個人の位置がわからない、評価の参考にはしないはずの業者テストや塾の成績が暗黙の了解のうちに進学先選定の重要な参考資料として取り扱われているなど弊害も出てきているのではないかと心配をしている声などもあります。

 教育指導は全市で均一の指導が成され「学校間の格差はない」との事であります。そのため、現在の学校区ごとの通学制度では通学する公立学校を選択する余地はなく、学校ごとの特色を理解し、生徒・保護者が自らの学校を選択する事は出来ません。

 浦和市では、地域と連携し特色のある学校づくりを進めておるようでありますが、個性が尊ばれ、それぞれの個性を尊重した教育がなされている現況では、結果としての理解度は違って来て当然であるし、部活動では試合・大会などで必ず個の能力により順位がついており、そのことがまた張り合いになったり、意欲につながったりするのは当然であると考えます。

 一人一人が生まれつき持っている能力を総合的に判断すれば、それぞれ一個の人間として持つ能力は全人格としては等しく同じであると私は考えておりますが、個人の顔がそれぞれ異なるように、一面的能力については異なる特性があると思っております。

 また 同時に、順位は他と比較した場合の結果であります。例えば同じ時間内で処理できる計算能力について他と比較すれば劣っているものでも100メーターを駆け抜ける能力は高い場合もあるであろうし、人前で話すのは苦手でも、文章で自己を表現する事は得意であるといった場合も考えられます。最近はIQに対してEQという新しい定義についても語られてきておるようです。個の持つ特性は様々であります。

 現状では風評による学校間格差が、誤解による学校そのものの優劣として一人歩きを生じさせているのではないかと思える部分もあります。

 そこで、お伺い致したいのですが、各学校の特色、各教科の理解度・達成度、各教員の指導内容・結果の把握などについて市としては現況をどのように把握し、今後の指導に役立てて行く為の判断基準・評価方法をお考えなのかお伺いたします。現況では具体的にどのようになされているのかもお伺い致します。

 学力試験の結果を生徒個人の進学試験の選抜のみに利用することには私は反対でありますが、児童・生徒の理解度を高める為の指導の目安として利用し、到達度を判定し教員の指導能力や授業内容の妥当性、また各学校の特性など子供たちを取り巻く教育環境を適切に把握する為にも何らかの方法が検討され、実施されることが必要だと考えます。

 私は市内小・中学校での統一の学力試験を行う必要もあるのではないかと考えております。過去には、市内一斉の学力試験が行われていたと聞いておりますが、取りやめた経緯について、お伺いを致します。

 すでに、大宮市では昨年末より本年にかけ小学校6年生と中学校2年生を対象に市内ほぼ一斉の学力到達を調査する目的で試験が行われたとお伺い致しております。過日の読売新聞の記事ではアメリカ大統領ブッシュ氏の演説の内容として全国学力テストを小学校3年から中学校2年までを対象に早期に実施すると掲載されていました。

 科目ごとの理解度、学校の指導結果を相対的に評価し、より個に応じた木目細かい教育目標を立てるために利用するべきであると思います。評価の結果により、教える先生にとっても力量を問われる事になり、努力度が明確化されより良い学校運営に反映されていくと考えます。また、保護者や地域が各学校の特色をより理解でき、積極的に学校運営に協力して行く事にもなると思います。

 さいたま市建設により現在の63校から138校の公立小・中・高・養護学校を有することになりますし、高い教育水準を誇る100万都市の教育施策として、地域と連携し地域の学校としての特色を一層色濃くするためにも、市内の公立学校を科目ごとに相対評価する方法を検討し、格差を最小にするための努力を継続的に行う必要があると思いますが、いかがお考えかお伺いを致します。

〇 浅見匡教育長

教育行政について、学校間の格差にかかわってお答えをいたします。

  各学校の特色や学校における様々な指導等の現況について、浦和市教育委員会といたしましては、学校からの報告、教育委員会としての計画的な学校訪問、教科における訪問等によって把握をしており、各学校のそれぞれの教育環境を見ながら、児童生徒の健全な育成のために各学校と連絡を密にとりあって指導助言に当たっております。

  今後も、学校からの報告、学校訪問での研究事業や学校生活全体の視察、教育整備の点検や教職員の現状の把握等を通して、浦和市における学校教育の向上のために取り組んでまいります。

  次に、浦和市において過去に行なわれていた市内一斉の学力試験は、進路選択の参考とするために、校長会が行っていたものでございます。浦和市教育委員会といたしましては、平成5年の文部事務次官通知を受けて、業者テストの偏差値を用いない入学者選抜の一環として、また、生徒が主体的に自己の進路を選択、決定する資質や能力を育成するために、平成8年度より廃止をいたしました。

  次に、学力の検査につきましては、文部科学省で平成14年の1,2月の予定で、小中学生の中から抽出して学力の調査を行うとの決定がなされましたが、浦和市教育委員会といたしましては、国や件の動向を十分見極めながら考えてまいりたいと思います。

  各学校に対しましては、学校の特色に配慮し、児童生徒と教職員との信頼関係に根ざした学校教育の振興のために、それぞれの学校が日々取り組んでいる教育水準、内容を更に充実、発展させるとともに、基礎、基本の定着が図られるよう、今後も各学校と連絡をとりあいながら、指導、支援を行ってまいります。